Pocket

こんばんは。

台湾では「微解放」と言い、これまでの行動規制が緩和され、少しずつ元の自由な生活が戻りつつあります。

これまでの週末は、家の中で引きこもるしかありませんでしたが、最近は外出できるようになり、ただただ嬉しいです。

もちろん、マスク着用の義務や、他にも細かい規制は残っていますが…

.


さて、台湾では、8月は「中元節」がありましたが、

9月には、また別のイベントがあります!

それは…、

「中秋節」です!


日本でも、「中秋の名月」という言葉を聞いたことがあるはず。

なんとなく、

お月見の日でしょ?

とイメージしてる方もいると思います。

.


では、台湾では「中秋節」とはどういう日なのか?

今回は、

  1. 台湾の「中秋節」とは何か?
  2. 「中秋節」に関する言い伝え
  3. 「中秋節」には何をするのか?

以上について、簡単に紹介していきます!

.


1. 台湾の「中秋節」とは?

clouds under full moon
Photo by Joonas kääriäinen on Pexels.com

「中秋節」の時期は、旧暦の8月15日です。

2021年の場合、「2021年9月21日」が中秋節となります。

台湾では、「中秋節」は、「春節」や「清明節」や「端午節」などに並ぶ重要な行事の一つです。

そのため、毎年「中秋節」の日は、台湾では祝日となります。


「中秋節」は、

  • 家族や親戚や友人と一緒にお祝いする日
  • 農家の人は、神様に感謝し豊富な収穫をお祝いする日
  • 結婚や子供の縁をお祈りしたりする日

などの色んな意味があるようです。


では、そもそも「中秋節」にはどういう言い伝えがあるのか?

重要な行事とされているのには、古くからの歴史や言い伝えがあるためです。

次のパートで、簡単に紹介したいと思います!

.


2.「中秋節」に関する言い伝え

majestic starry sky at dark night
Photo by Lucas Pezeta on Pexels.com

言い伝えや伝説はいくつかあるようですが、代表的なものを2つ紹介したいと思います。

  • 「英雄の奥さんが月へ行った」話
  • 「革命軍の作戦」の話

英雄の奥さんが月へ行った

昔々、あるところに、後に英雄になる「後羿(ホウイー)」という男がいました。

当時、その国では太陽が10個あり、あまりの暑さに大地は枯れ、人々は作物を育てることも出来ず、苦しい状況にありました。

ホウイーは、そんな人々を見て、「なんとかみんなを助けたい!」と考え、

天に近い山の頂上まで登り、9つの太陽を撃ち落とします。

太陽が全てなくなると、今度は逆に光や熱を失ってしまうので、太陽を1つだけ残し、時間を決めて上下に動くことを約束させます。

それが、現在の太陽です。

これにより、人々は作物を育てられるようになり、世界を救ってくれたホウイーに感謝し、ホウイー人々の英雄となりました。

ホウイーは、たくさんの人々から尊敬され、「嫦娥(チャンアー)」という美しく善良な女性と結婚します。


ホウイーチャンアーはとても仲が良い夫婦で、多くの人々も2人のことを理想の夫婦として尊敬していました。

ある日、ホウイーは旅先で訪れた場所で出会った女王から「不老不死の薬」を貰います。

しかし、ホウイーは、チャンアーと離れたくないので、「不老不死の薬」を使わず、チャンアーの机の中に保管しました。

薬はバレないように机の中に保管したのですが、これが悪者に見つかってしまいます…。


ある時、ホウイーが部下と一緒に狩りに出た隙を狙い、

悪者チャンアーの部屋に忍びこみ、「不老不死の薬」を盗みに来ました。

悪者は、その場に居合わせたチャンアーを脅し、薬を奪おうとしましたが、

チャンアーは、「この薬だけは悪者の手に渡してはいけない!」と、その薬を自分で一気に飲み込んでしまいます。

するとすぐに、チャンアーの体は宙に浮き、そのまま天へと飛び立ってしまいました。

チャンアーにはまだ意識はあり、自分だけが天に飛び立ってしまい、夫のホウイーを1人ぼっちにさせてしまうことが心配だったため、1番近い「」まで行き、そこで妖精となりました。

狩りから帰って来たホウイーは、家にいたメイドから状況を聞き、悪者を倒し、怒りと悲しみの思いで、月を見上げ、妻であるチャンアーの名前を呼びました。

この時の月は、それまでで1番明るく綺麗だったそう。

「妻(チャンアー)が月に行って妖精となった」という話を聞いたホウイーや街の人々は、美しく優しいチャンアーの幸せと安全を祈り、月の下でお香を立て、チャンアーのお気に入りの食べ物をお供えしました。

それ以来、「中秋節」の日に、月を見上げる習慣が、人々の間で広まった、と言われています。


いかがでしょうか?

これまで単純に、「中秋月の日は、月が一番大きくて綺麗だから」と何となく認識していましたが、

こういう伝説を聞くと、月を見上げることに、意味を感じられるようになりますよね。

今年の「中秋節」の日には、月で妖精になったチャンアーを想い、探してみてください!笑

.


革命の作戦の話

時は、元朝後期。

当時の人々は、元の王朝による独裁的で残虐な支配体制の下、苦しい生活を強いられていました。

そのため、王朝に対する反抗が、各地で絶えず起きていました。

ある時、「朱元璋」という男は、各地の反乱軍をまとめて、王朝に対し一斉蜂起することを決めます。

しかし、当時の王朝の情報網は広く、王朝にバレずに、各地の反乱軍をまとめあげることは至難の業でした。

そこで、軍師の「劉伯」は、「8月15日の夜に決起」というメッセージをお菓子の中に隠して、部下に各地の反乱軍にそのお菓子を届けさせます。


そして、迎えた8月15日当日。

夜になると、各地の反乱軍は一斉に蜂起し、元の王朝を一気に圧倒し、無事制圧に成功しました。

このお菓子の中にメッセージを入れる作戦が功を奏したのです。

その後も、人々は、当時の革命成功を記念して、その時の喜びを分かち合うために、「中秋月」の時に「月餅」を食べるようになったそうです。

.


3.「中秋節」には何をするのか?

barbecue bbq beef charcoal
Photo by Pixabay on Pexels.com

では、台湾の「中秋節」には一体何をするのか?

いくつか風習がありますが、ここでは定番になっているものを取り上げて紹介します!


1目は、バーベキュー

台湾在住の方なら、中秋節の日、またはその前後の日に、色んな家の軒先で、バーベキューをしているのを見たことがあると思います。

または、台湾人の友人から、バーベキュー or バーベキューのレストラン に誘われたことがある方もいるかと思います。

「中秋節」の時には、他にも伝統的な風習がありますが、現在の台湾で一番ポピュラーなのが「バーベキュー」です!

この時期には、ほとんどの台湾人が実家に帰省し、家族や親戚と一緒に、バーベキューをしながら過ごします。


『「中秋節」=「バーベキュー」』という習慣が定着したのは、1980年代頃からだと言われています。

諸説あるようですが、

  • 1980年代に、醤油メーカーが醤油を宣伝するために、バーベキューを使ってマーケティングをした。
  • 1980年代、台湾でのオーブンの生産は輸出向けのみで、域内での販売は低迷していた。そこで、メーカーが値下げなどで台湾域内での販売を強化し、結果として、台湾でバーベキューが一大ブームとなった。中秋節でもバーベキューイベントが開催され、その習慣が今も残っている。

などが背景とされています。

いずれにせよ、バーベキューをしながら、家族や親戚や友人と一緒に「家族団欒」で中秋節をお祝いすることは、昔からの意味を大切にしつつ、現代の習慣を取り入れた画期的な発想だったと言えますね。

.


2つ目は、月餅!

「中秋節」の時に「月餅」を食べる風習は、先程紹介した元朝後期の伝説から来るものです。

元朝後期〜明朝初期以降、現在にいたるまで、「月餅」を食べる習慣は続いています。


そして、この時期になると、色んなお菓子屋さんやパン屋さんで、「中秋節の月餅」の販売合戦が始まります。

人気店になると、かなりの大行列ができるほどです。

「月餅」と言えど、甘いものからしょっぱいものまで、色んな味がありますが、台湾人の中で1番人気のあるのが「卵黄が入った月餅」です。


私も、はじめは台湾の「甘くてしょっぱい」食べ物に慣れず、「月餅」もあまり好きではありませんでした。

しかし、毎年「月餅」を食べてる内に、「甘くてしょっぱい」味の虜になっている自分がいました。笑

意外とハマるので、ぜひ食べてみてください!


また、台湾では、「中秋節」の時は、家族や親戚だけでなく、日頃お世話になっている取引先などにも、「月餅」を送る習慣があります。

近くのお菓子屋さんやパン屋さんで気軽に購入できるので、

台湾に住んでいる方は、ぜひ日頃お世話になっている方に「月餅」を送ってみてはいかがでしょうか?

 

 
 
 
 
 
この投稿をInstagramで見る
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

MONIO | 台湾生活(@monio.taiwan.life)がシェアした投稿

.


3つ目は、文旦!

「文旦(ブンタン)」とは柚子の種類の一つです。

台湾では、中秋節の時に柚子を食べる習慣があります。

中国語で「柚子」は「佑子」という言葉の発音に似ており、「佑子」には「子供の健康や成長を祈るというような意味があります。

そのため、「柚子」は縁起の良いものとされており、ちょうど中秋節の時期が柚子の旬のシーズンだったこともあり、「中秋節」の時に「柚子」を食べる習慣ができたようです


そして、この「文旦」を食べる習慣ですが、台湾の人々の習慣はただこれを食べるだけではありません。

「文旦」は結構大きいので、皮を綺麗に剥いて、その皮を帽子にして遊ぶ習慣もあるようです。

今年の「中秋節」に「文旦」を食べる機会があれば、ぜひ皮で帽子を作ってみてください!

.


最後に

以上、台湾の「中秋節」に関する言い伝え(諸説あり)や代表的な習慣について紹介しました。

背景を何も知らないと、とりあえずわけが分からず言われるがままに、バーベキューをしたり、月餅を食べたり、柚子を食べたりすることになってしまいます。

それはそれで良いのですが、「どうしてこんな習慣があるのか?」という背景を知っていれば、よりその習慣に意味を感じることが出来ると思います。

今回のブログを通して、少しでも皆さんの参考になっていれば幸いです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!

By monioz

コメントを残す

https://pagead2.googlesyndication.com/pagead/js/adsbygoogle.js