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こんにちは!

日本では4連休真っ只中ですね!

そして昨日からオリンピックがスタートしたので、オリンピック観戦に没頭してる方もいるかもしれません。

オリンピック開催については賛否両論ありますが、いざ始まってみると、気持ちは盛り上がりますね!


そんな中ではありますが、台湾で話題となった映画が、7月30日から日本で公開されます!

その名「返校 言葉が消えた日」です!

名前だけ聞いたことがある!

なんか怖いやつやっけ?

など、何となく印象をお持ちの方はちらほらいると思います。


たしかに、この映画の画像を見ると、とてつもなくホラー映画感がします…。

では、果たしてこの映画はホラー映画なのか?

このブログでは細かい内容にまでは触れない程度に、この映画は一体何なのか?どういう映画か?について、簡単に紹介していきます!

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どういう内容?時代背景は?

この映画の舞台は、1960年代当時の台湾

ご存知がない方もいるかもしれないので、簡単にこれまでの台湾の歴史背景について振り返ってみます。

台湾には波瀾万丈な歴史があるので、一概には言えないですが、私なりに簡単に要約しました。


オランダ統治時代 :

  • 1600年代頃まで、「オランダ」の領土でした。

清朝統治時代 :

  • その後、鄭氏政権を経たのち、200年近くに渡り、「清朝」による支配下に置かれます。
  • そして、日本と清朝の間で日清戦争が起こり、清朝は破れます。
  • 1895年に締結された「下関条約」により、台湾が日本に割譲されました。

日本統治時代 :

  • 1895年から、台湾は「日本の一部」となりました。
  • そして、世界で第2次世界大戦が勃発します。
  • 中華民国は当時連合国の一つとして、日本とも敵対関係にあり、日中戦争を繰り広げていました。
  • 1945年、日本の敗北と同時に、日本は台湾を返上し、中華民国が台湾へ進駐しました。

中華民国時代

  • 一方この時代、中国大陸では、国民党と共産党の内戦が激化していました。
  • 結果、劣勢となった国民党は、元々首都南京を共産党に実効支配されます。
  • そのため、国民党は拠点を台湾に移し、台北に臨時首都を設けました。
  • これが、今の台湾の始まりです。

今回紹介したい「返校 言葉が消えた日」の時代背景は、中国大陸から遷都してきた国民党が強権支配を敷いていた時代です。

当時、台湾の国民党と、中国大陸の共産党間の緊張は高まっており、台湾全域に「戒厳令」が発令していました。

「戒厳令」と聞いても、あまりイメージが湧かない人もいるかもしれません。

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▼「戒厳令」とは何か?

ずばり、自由がない状態!

通常、人々の自由や主権は、憲法や法律で規定されており守られています

日本で、自由な発言や行動ができるのは、当たり前ですよね!

「戒厳令」の下では、そういった自由や主権を守る憲法や法律は禁止され、全ての権限を軍が持ちます

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▼ なぜ「戒厳令」が必要だったのか?

先程の台湾の歴史を見ていただくとわかるように、直前までは台湾は日本の一部でした。

そこに、戦後、中国大陸から遷都してきた国民党軍が、台湾を新たに支配することになります。

そうすると、元々台湾に住んでいた人々と、新たに台湾に移り住んできた人々の間で、衝突や意見の違いが生じます。

意見をまとめるにしても、そもそも話す言葉や育ちが違うと、一筋縄では行かないですよね…。

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そこで、台湾をまとめるために、国民党軍は「戒厳令」を発令し、自分たちの考え・方針に反対する人たちを逮捕/収監(または処刑)することで、強制的に人々を従わせるという手法を取りました。

いわゆる「白色テロ」っていうやつです。

映画の中では、このあたりの状況もしっかり描写しているので、より当時の台湾への理解が深まると思います。

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こういう歴史背景を理解すると、「当時の台湾がどれだけ怖い状況だったのか」「どれだけ自由がなかったのか」が、何となく分かって頂けたかと思います。

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この映画はホラー映画?

「台湾の歴史には興味があるけど、ホラー映画は見たくない!」という方も多くいると思います。

見ていると、お化けのような怖いシーンはいくつかあります。

ただ、これはあくまでも喩えとしての表現です!

当時の戒厳令下での台湾では、個人の自由がありません。

もし、少しでも政府に反対するような行動・発言をし、それがバレてしまうと、即逮捕・収監(または処刑)されます

許可されていない本を持っていただけでも、逮捕される時代。

そういう現実の怖さを、ホラー映画のような描写で表現しているため、

そこを割り切って理解して見ると、ホラー映画が苦手な方でも、何とか見れるのでは、と個人的には思います。

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この映画は元々ゲームだった?

実はこの映画、始まりはゲームでした。

2017年1月にパソコンゲームとして配信が始まり、その後 PlayStation4任天堂Switchなどのバージョンも配信されています。

興味のある方は、やってみてください!

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最後に

いかがでしたでしょうか?

少しでも、台湾の歴史や当時の時代背景に対する理解は深まったでしょうか?

ある程度、当時の台湾の時代背景が頭に入っていないと、一度見ただけでは、理解しにくい映画かもしれないので、今回簡単に紹介させていただきました。

今の時代からは到底理解し難いですが、これは実際に過去にあった話

また、今でも突然起こる可能性がある話です。

例えば、ミャンマーでは2021年に、軍がクーデターを起こして政権を乗っ取り、実際に「戒厳令」が発令しています。


日本人として生まれ、平和な環境で生活していると、「自由は当たり前」の存在ですが、その「自由」の大切さを、過去の歴史から改めて気付かさせてくれる・考えさせてくれる映画になっていると思います。

「返校 言葉が消えた日」7月30日に公開されます!

ぜひお時間ある方は見に行ってみてください!

日本語の公式ホームページではより詳細に紹介しているので、リンクを掲載しておきます。

「返校 言葉が消えた日」公式ホームページ

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余談ですが、、

自由の大切さや、自由に勉強/読書できることの大切さ、などにちなんで、2枚の写真を選びました。

1つ目は、これ。

これが何がか分かりますか??

正解は、清朝時代に行われていた官僚登用試験「科挙」の試験部屋です。

歴史の授業でしか聞いたことがない「科挙」ですが、台中にはその試験部屋が残っており、実際に中に入って座ることもできるので、興味のある方は台中に遊びに来てください!

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2枚目は台湾に残る「日本統治時代の学校の校舎」です。

これは、台中の清水區にある学校で、この校舎は改装されながらも今も使われているようです!


台湾は複雑な歴史を持っており、当時の建物や景色がいまだにたくさん残っています

何気なく散歩しているだけでも、ふと「これ、あの時代の建物や!」という発見があるので、飽きることがありません。

台湾は魅力がいっぱいなので、コロナが落ち着いたらみなさん遊びに来てください!!

最後まで読んでいただきありがとうございました!

By monioz

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